グリーンセイバー インタビュー
鶴田 史朗さん(ベイシック・アドバンス)
グリーンセーバーの体系的で学際的な知の世界に感動
学生時代から現役生活を通して自然科学の中に身を置いてきたが、記憶力の悪い私は生物という科目は好きではなかったんです。現役時代は半導体とコンピューターの研究開発の仕事をやって来て、自然とはかけ離れた世界を飛び回っていました。
40代後半になり、神戸に赴任している間に体力を付けようと思い立ち、週末になると六甲山に登り始めました。毎回見る景色が違う。ある時、ヤマボウシの花が咲いていて、目の覚めるような美しさに感動を覚え、樹木に咲く花に興味を持ち始めました。
東京に戻ってからは週末に大きな公園を歩くようになり、木に付いた札を見て名前を覚える日々でしたが、野川公園でグリーンセイバーのパンフレットを見つけて、検定の存在を知り、テキスト3冊をいっぺんに購入して、面白くて短時間に読破した記憶があります。
近代科学は急激な発展を遂げ、文明は長足の進歩を遂げましたが、一方で世の中に大きなひずみを生みました。持続可能性、多様性、関係性と言った新しい知見が見直されている中でGSの体系的な知、物の見方には先見の明があったと思います。
3つの講座、すべてを経験してみて一番面白かった森づくり活動に参加
グリーンセイバーを取得してからは、この団体が何をやっているのか理解したいと思い、初心者のための「スタートアップ講座」や、「子どもわくわくプログラム」、「これからはじめる自然観察シリーズ」など、1年間を通して参加しました。その中でも面白いと感じ、汗をかきたい、という思いもあり、活動の中心的な町田三輪フィールドの森の保全活動に携わるように。2年ほどして地主さんから放置されている山(日向山と命名)で何をしてもいい、という提案をもらい、3つほどのプランの中で、予算が付いた里山林塾を2017年にスタートしました。6年目からは新しい体制で活性化に取り組んでいます。
(町田市三輪里山で里山整備の基礎を学び、里山利活用を楽しむ総合プログラム)
活動開始以来25年が経過した三輪里山クラブとしても課題があります。活動メンバーの高齢化が進み、参加人員の数も減少気味。ここにきて、林塾の卒業生や、地元の方々の参加も増えつつあるのは心強い限りです。
既存フィールドの課題を担いつつ、新たに誕生するフィールドにもチャレンジ
新しいメンバーに定着して欲しいと考えています。彼らがチームの一員として、参画意識を持ち、何を担うのか、明確にしてあげる必要があると思っています。このフィールドをどのような森にするか、自分ごととして捉え、今年は何を行うのか?何のためにそれを行うのか?参加者がイニシアティブを発揮して行動するシチュエーションを実現したいと。
今現在、兵庫県で誕生する新しい森づくりの話が進んでいて、神戸は以前住んでいたこともありますし、新たな活動を成功に導きたいと考えています。
ここでも団体の「森を守る」「人を育てる」「森と人をつなぐ」というテーマのもと、色々なチャレンジができればと思っています。